
HOME > 慰謝料の基礎知識 > 慰謝料の時効
慰謝料の時効
慰謝料も、一定の期間によって、消滅時効にかかります。
慰謝料の発生原因には、不法行為に基づく場合と債務不履行に基づく場合があります。
債務不履行に基づく慰謝料請求の場合は、民法第167条1項により10年。
そして、不法行為に基づく慰謝料請求の場合は、民法第724により3年。
と定められています。
民法第167条 | 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。 |
民法第724条 | 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。 不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。 |
つまり、不法行為に基づく慰謝料請求は、加害者や損害が生じたことを知った時から3年で時効となります。
ただし、限度が20年と制限されており(除籍期間といいます)、20年経過してしまったら、請求は出来ません。
時効期間について、まとめると、以下の表のとおりです。
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
不倫の慰謝料の時効
不倫した第三者(浮気相手)への慰謝料請求の場合は、不倫の事実を知ったときから3年で時効成立となります。
ただし、不倫関係(不貞行為)が終わったときから20年以内(除籍期間といいます)に限られます。
婚約破棄の慰謝料の時効
婚約破棄の場合は、債務不履行説と不法行為説がありますが、債務不履行説によれば、婚約破棄した時または破棄された時から10年、不法行為説によれば、破棄された時から3年の経過をもって時効となります。
名誉毀損の慰謝料の時効
名誉毀損の場合は、名誉毀損された事実または名誉毀損した相手を知ったときから3年、または名誉毀損の事実があったときから20年、いずれかの期間が経過した場合は、時効となります。
もっとも、ネットへの誹謗中傷などで、その表示が抹消されない場合、不法行為の継続中となりますから、時効の起算が開始されず、時効にならない、という解釈が成り立ちます。
暴行・傷害の慰謝料の時効
暴行を受け、傷害を受けていない場合は、暴行を受けた日の翌日から起算して3年で時効成立となります。
傷害による損害(治療費、慰謝料、休業損害、など)については、治癒した日または症状固定日(症状が安定し、これ以上は改善しないと判断された日)から3年で時効成立となります。
※症状固定日の判断は、原則として、医師の診断書の記載が基準となりますが、裁判の場合には、実際の事情経過によって判断されますので、注意が必要です。
セクハラの慰謝料の時効
セクハラ被害によって生じた損害(慰謝料、治療費、退職による逸失利益)は、セクハラ行為が止んだときから3年時効となります。
ただし、セクハラ被害によって、うつ病やパニック障害、PTSDと診断された場合、その損害は、治癒した日または症状固定日(症状が安定し、これ以上は改善しないと判断された日)から3年で時効成立と解釈される余地はあります。
交通事故の慰謝料の時効
自賠責保険の被害者請求権は、事故発生日から3年(平成22年4月1日より前に発生した事故の場合は2年)で時効になります。
ただし、自賠責保険への被害者請求、自賠責保険への異議申立、自賠責保険への時効中断申請、自賠責保険会社からの支払、などがある場合には、時効中断となり、その時点から起算して3年で時効となります。
任意保険会社への加害者請求権は、事故発生日から3年(平成22年4月1日より前に発生した事故の場合は2年)で時効になります。
ただし、加害者の任意保険会社からの仮渡金(仮払金)の支払や加害者の任意保険会社が作成する債務承認書や示談案の提示があった場合には、時効中断となり、その時点か起算して3年で時効となります。
時効の中断
時効の中断といって、加害者や損害が生じたことを知ってから3年以内に訴訟を提起するなどの法的手続きを取るか、示談を成立させる、又は弁済を受けることで、時効の進行を振り出しに戻すことが可能です。
また、どうしても間に合わないという場合には、時効の停止といって、内容証明で請求すること(催告といいます)で、6ヶ月間の猶予を受けることが出来、その間に示談を成立させるか裁判を起こすことで、時効の成立を回避することも可能です。
慰謝料請求jp サイト内メニュー
|
|
||||||||
|
|